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01e16730.jpgさて、町家のお話。
京都の町家ってどんな建物? 住み心地はええの? 暑ない? 寒ない?
「町家に住んでる」て言うたら、いろんなことを聞かれる。
元染屋の築77年になる家へ引っ越して3年。不自由はあるもんの、子供のころにはわからんかった良さもたんと実感する。当時はあたり前に住んでたけど、あのボロい家も町家やったんや〜。トイレは外やし、お風呂もないし、通り庭を風がすぅすぅ吹き抜けて寒い。真冬には、床の間に置いた花の水が凍ってることもざらやった。

そもそも“町家”ていうのには、きっちりした決まりがあるわけやないけど、狭い間口の奥深い敷地に建った長方形の家。いわゆる「うなぎの寝床」で、昔ながらの軸組工法の木造建築。コンクリートをべったり敷かんと、地面に石を置いて柱を立て、柱と梁を組み合わせたとこに壁を造ってゆく建て方で、おおむね戦前(昭和の戦争ね。ちなみに京都で「前の戦」言うたら、「応仁の乱」どっせ)にできた建物をいう。ほとんどが通りに面して玄関があり、お隣とぴっちりくっついてて、塀をしつらえた家は少ない。
学生時代、北陸から来た友だちが「京都に来て何がビックリしたって、家と家がびちびちにくっついてるところ」と言うてたけど、ほんまに猫が通るすき間もないとこがほとんどや。建って60年以上、古い家やと100年以上にもなるし、たいがい傾いできてるんで、お互いもたれおうて支えおうてる感じ。まちなかはご近所づきあいが密やけど、家までそういうことになっている。

子供心には、そういう「もっさい暮らし」やら「みっちりした暮らし」がイヤで、憧れのマンション住まいもしてみたけれど、歳とともに平とう暮らす風情が恋しなって町家へお引っ越したというわけ。まぁそれ以前に、荷物満載、足の踏み場もないような生活にも疲れてたんやけど。なんせ、連れ合いが商売を始めてから、仕事場にはうずたかく品物があふれ、そこに犬と人が入り乱れてどえらい過密状態やったし。
いまは「武士は喰わねど高楊枝」やないけど、不便や融通のきかんとこも魅力のうちやと思うてる。ま、そう思わんとやっていけへんとこもあるんよね。