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エビなまこ昨日の話で、またまた思い出したことがある。あ、今日はきちゃない話とちゃうから安心してね。

高校生のころ、年末にお餅屋さんでバイトをした。
普段はおはぎや赤飯なんかがウリの店やけど、さすがに年末はお餅一色。私と同い年の友だちは、鏡餅やら小餅、なまこ餅(細長うのばした餅で、切って使う。関西ではのし餅よりこっちのほうが主流)を一所懸命売っていた。

だいたい25日ごろからだんだん忙しいなってくるんやけど、29日〜30日がピーク。31日は午後になるとちょっと落ち着く。
お餅は白いプレーンなもんの他に、黒豆を入れたんや、粟餅、よもぎ餅、エビ餅がある。こういうたぐいはお雑煮やのうて、焼いておやつ?として食べる。


31日の終いがけ。

ほとんどお餅を売り切ってしまい、そろそろ片付けよか…ちゅうときに一人のお客さんが来はった。コートを着た、いかにも仕事帰りのおっちゃん。家の人に「お父さん、今日はお餅を買うて帰ってね」とか頼まれはったんやろな。

「白餅をください」とおっちゃん。
が、しかし。
白いお餅は、丸いのんもなまこ餅もすべて売り切れてた。
「すんません、もう全部売れてしもたんですけど」
「えっ…お餅、もうないの」
「はぁ。あと残ってるのはこれだけで」

と、私は、わずかに2本だけ残っていたエビ餅を指さす。ほかのお餅は、みな売り切れてたのだ。
おっちゃんはしばらく考えたあと、エビ餅を1本買うて帰らはった。

その背中には、哀愁が漂うてた。


これを言うと歳がばれそうやけど、私が高校生のころは近所にコンビニなんかあらへんかったし、サ○ウの切り餅みたいに便利なもんもなかった。
お餅て言うたら、正月前に餅屋さんで買うもんと相場が決まってたのだ。
もっと田舎のほうやと、餅米を持って行って、お金出してついてもらうとか。


きっとこのおっちゃんちは、元日にエビ餅のお雑煮を食べはったんやろう。
家族から、白い目で見られながら。
白味噌にエビ餅って、ごっつ気色悪い取り合わせやもんなぁ。
どこの誰か知らんけど、ホンマにかわいそうなことをした。まぁ、私が白餅を買い占めたわけとはちゃうけど。



でさ、エビ餅の白味噌雑煮をたべたら、あんなゲロになるかな(しつこいっ)。けど、色のトーンがちょっとちゃうよなぁ。



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