京都町家ぐらし

京都の町家に暮らす玉葱ぽんが、食べもんやお酒、愛犬との日々をつづるトボけた四方山ブログ。ベタなまち徘徊、トホホな情景も織り込んでおとどけ!

びわ湖疏水船

お寺の境内に疏水の施設−これも国宝

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琵琶湖疏水記念館を出て、京都有数の高級住宅&別荘街を歩く。高い塀に囲まれた豪邸ばっかりのハイソな界隈を、軽装の観光客と東山高校の生徒が行き交う不思議な光景だ。きょろきょろ5分ほど歩けば、知らん間に南禅寺の境内へ入ってる。まずは石川五右衛門が「絶景かな、絶景かな」と言うた(芝居のセリフなのでウソ)、重文の三門がどどんと。ちょうど小学生の団体が見学に上がってゆくとこやった。

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三門の奥に建つ法堂の東に参道があり、そこを歩むと見えてくる「水路閣」、もちろんこれも国宝に指定されている。お寺の境内に当時は最先端だった赤レンガの建造物って、ものすごく反対があったらしい。南禅寺はもちろん、福沢諭吉も「静寂な景観を壊す」と反対したんだそう。けど、周囲の雰囲気を損なわないようデザインと素材に工夫を凝らし、建てたのが水路閣なのだ。当時は山中を通す予定が、亀山天皇の分骨場が見付かって断念し、その西にある南禅寺におじゃましたそうである。宮内庁のお達しでは、なんぼ京都五山でも反対しとおせへんわね。

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時を経て、しっくり収まっている。違和感がないこともないが、時代の色を帯びてなじんでいる。まぁ山門だって創建当時は神社みたいな丹塗りやったのが、古色を帯びてその場にふさわしい佇まいとなっているので、水路閣もそうやろう。

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レンガのアーチに新緑が美しい。

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連なるアーチも美しい。

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水路閣の上は歩けるようになっている。北はフェンスで仕切られ立入禁止やけど、南へは約100m歩けて、蹴上発電所の集水門までいけるそう。そしてわりと昭和45年まで使われていた、疏水の水を利用したプールの跡もあるのだ(どっちも行ってないので再訪せねば)。

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私は下へ降り、境内を通って塔頭の金地院を通り過ぎる。このお寺には黒塗りの東照宮があるけど、それはまたの機会に。

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蹴上駅に至るトンネンル「ねじりまんぽ」。インクラインを歩いたとき、下に見えていたとこである。「まんぽ」ちゅうのはトンネルのことで、耐久性を高めるためレンガをらせん状に積んでいるので「ねじり」なのだ。今も現役で、大勢の人がくぐるトンネルが重要文化財!この界隈は久しぶりに歩いたけど、まだまだ見ときたいスポットがたんとあるな。


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#京都

疏水船からインクラインへ

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先月、乗船の話をUPしたびわ湖疏水船。京都側の下船場「蹴上船溜」から数分歩くと蹴上インクラインだ。

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インクラインとはは高低差のある場所で舟などを台車に乗せて昇降させるケーブルカーのようなもので、設置当時は「船が陸を走る」と評判だったそう。昭和23年まで使われ、今は稼働してないけど、ここも近代土木構造物では日本初の国宝指定を受けている。

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付近には田辺朔郎氏像や工事で亡くなった方々の慰霊碑、そしてお地蔵様が祀られている。疏水とは関係なく、平安時代に源義経(牛若丸)が奥州へ向かう道中、泥水を蹴り上げて嫌がらせをした平家の武士9人を斬り捨てた場所に、慰霊の地蔵を置いたんだとか。なので「義経地蔵」という名がある。やったのが義経で、この中には祀られてないのにね。ちなみに「蹴上」という地名もこの話から来ているのだ。

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インクラインからは南禅寺境内の道が見下ろせる。ちょうどここは「ねじりまんぽ」の真上で
抜けると地下鉄の蹴上駅になるだけに、観光客や登下校の学生たちが大勢歩いている。

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まっすぐ続くインクラインの線路。ゴツゴツして歩きにくいが、大きな石はかつて
市電のレールの敷石だったもの。いろいろとゆかりのものがリサイクルされている。

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インクラインの終点には動物園がある。岡崎公園で万国博が開かれた際は、ここに噴水が設けられて人々を驚かせたのだ。と、一部復元されたそれを見ながら、明治時代にしばし思いをはせる。この噴水もさっきと通ってきた「蹴上船溜」からパイプを通って流れてくる疏水の水で、船溜とここまで約36mの高低差を利用し、パイプの中に生じるサイフォンのような力だけで吹き上げている。動物園も日本で2番目に古いし、当時の京都人が沈滞する空気を打破すべく奮闘しはったのが伺える。

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動物園の右手には「琵琶湖疏水記念館」がある。運営は文化観光局ではなく、びわ湖疏水船と同じく京都市上下水道局。琵琶湖疏水の歴史や機能を紹介する施設で、入口には疏水を活用した水力発電に使われたペルトン式水車とスタンレー式発電機が展示されている。市電を動かす原動力となった日本初の水力発電所もそばにあるが、ここは公開されていない。

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大好きなジオラマと、季節展示品。これまたかわいい、レゴで作られたインクライン〜岡崎公園〜水路閣。ずーっと眺めていたい。この記念館は近代の歴史が学べるし、たいへんな難工事を知ることもできて入場無料なので、もっとたくさんに人に知ってほしいと思うた。

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去年の京まふで、疏水記念館は「怪獣8号」とコラボしたので、その名残のパネルがあちこちに残されていた。私は第3部隊の副隊長・保科宗四郎推しやったし、かなりうれしい。ということで疏水船の乗船ツアーはここが終点解散やったけど、さらに南禅寺の水路閣へ足を伸ばしてみた。続く…


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びわ湖疏水船 後半は山科疏水

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昨日の続きで、びわ湖疏水船はまだまだ進む。山科に入り、地震が起きたときに水を遮断する緊急遮断ゲート(平成11年造)をくぐり、疏水工事で最初に造られた藤尾橋をくぐる。この赤レンガと石造りの土台は当時のまま使われている。

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そしてちょっと広なって穏やかな山科の舟溜を経て、安朱橋をくぐった。前にこの辺りを散策したとき、かわいいデザインの石橋やと思うたが、重要文化財なんは知らんかった。さらに進んで本圀寺の赤い橋をくぐる。

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上から見たらこんな感じで…

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この前上から見たときは、船が勢いよう飛ばしてった。ところで私たちが歩いてたときは、船上の人が手を振ってくれた。乗ってる人は楽しそうでフレンドリーやなぁと思うて、橋上からも手を振り返したのだ。けど、疏水船に乗ったとき「疏水べりを歩く人が手を振ってくれるのでこちらからも振りましょう」とインフォメーションされたのだ。なるほど!そうやったんや。乗ってる人、歩いてる人、どちらもいっそう楽しい気分になるんで、これはエエ風習?である。なので私も人が歩いてると手を振りまくり、振り返してもらう。楽しい。

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船は御陵あたりまで来て、最も短い124mの第二トンネルに入る。写真を撮り損ねたが、扁額の中で最も文字数が多いのが東口の初代内務大臣・井上馨揮毫の書「仁以山悦智為水歓」だ。縦2文字ずつ4列に書かれている。そして魚が口を開けたように見えるデザインの西口洞門には初代海軍大臣・西郷従道の書「随山到水源山(山に沿って行くと水源にたどりつく)」が掲げられている。

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山科は春の桜と秋の紅葉がことのほか見事で、沿道は真っ赤に染まると、案内ガイドさんが説明してくださる。ちなみにガイドは「トム・クルーズ」さんである。おそらくお名前がツトムさんなんやろう、ニックネームとして「トム」の名札を着けてはった。で、トムさんがガイドする遊覧船なので「トム・クルーズ」なのだ。自己紹介の時から軽妙な語り口で、単調なトンネルの景色も飽きずに楽しく乗ってられた。他のガイドさんもそれぞれに上手やと思うが、トム・クルーズさんは群を抜いてうまいのでは?ええ船に乗れてよかった。

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遊覧は終わりにい近づき、最後の全長850mの第3トンネルをくぐる。東口には初代大蔵大臣・松方正義揮毫の扁額「過雨看松色(時雨が過ぎるといちだんと鮮やかな松の緑をみることができる)」、西口には内閣制度発足後の初代内大臣・三条実美揮毫の扁額「美哉山河(なんと美しい山河であろう)」が掲げられている。最後の扁額は、締めくくりにふさわしいね。

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こうして第3トンネルを抜けると、まもなく蹴上乗下船場である。
蹴上乗下船場には旧御所水道ポンプ室がある。

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御所が火災の際、防火用水を送るために造られた専用水道が「御所水道」で、このポンプ室は紫宸殿の屋根より高く放水できるように、貯水池まで水を圧送する施設だったとのこと。国立博物館の旧館と感じが似てるなぁと思うたら、やっぱり設計は片山東熊氏やった。ちなみにこの建物は宮内庁が建設したそうで、平成4年まで取水されていたとは驚きだ。煉瓦の積み方はイギリス積みで、目地のモルタルをふっくらかまぼこ形に盛り上げる「覆輪(ふくりん)目地」の仕上げが特徴とのこと。目地を強調して煉瓦の美しさを際立たせ、外壁に立体感と風格をもたらす非常に高度な伝統技法のため、これを見学に来る人もいるそうだ。内部は非公開やけど、中も見てみたいなぁ。特別公開してほしいなぁ。
ということで疏水の船旅を堪能した。季節的には今が涼味を味わえて快適やけど、桜谷紅葉の季節は景色を満喫できる。いつ乗ってもええ遊覧船である。そして乗下船場からインクラインまでは徒歩数分、さらに疏水記念館や水路閣も歩いて行けるので、観光資源としても素晴らしいと思う。


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