
先月、乗船の話をUPしたびわ湖疏水船。京都側の下船場「蹴上船溜」から数分歩くと蹴上インクラインだ。

インクラインとはは高低差のある場所で舟などを台車に乗せて昇降させるケーブルカーのようなもので、設置当時は「船が陸を走る」と評判だったそう。昭和23年まで使われ、今は稼働してないけど、ここも近代土木構造物では日本初の国宝指定を受けている。

付近には田辺朔郎氏像や工事で亡くなった方々の慰霊碑、そしてお地蔵様が祀られている。疏水とは関係なく、平安時代に源義経(牛若丸)が奥州へ向かう道中、泥水を蹴り上げて嫌がらせをした平家の武士9人を斬り捨てた場所に、慰霊の地蔵を置いたんだとか。なので「義経地蔵」という名がある。やったのが義経で、この中には祀られてないのにね。ちなみに「蹴上」という地名もこの話から来ているのだ。

インクラインからは南禅寺境内の道が見下ろせる。ちょうどここは「ねじりまんぽ」の真上で
抜けると地下鉄の蹴上駅になるだけに、観光客や登下校の学生たちが大勢歩いている。

まっすぐ続くインクラインの線路。ゴツゴツして歩きにくいが、大きな石はかつて
市電のレールの敷石だったもの。いろいろとゆかりのものがリサイクルされている。

インクラインの終点には動物園がある。岡崎公園で万国博が開かれた際は、ここに噴水が設けられて人々を驚かせたのだ。と、一部復元されたそれを見ながら、明治時代にしばし思いをはせる。この噴水もさっきと通ってきた「蹴上船溜」からパイプを通って流れてくる疏水の水で、船溜とここまで約36mの高低差を利用し、パイプの中に生じるサイフォンのような力だけで吹き上げている。動物園も日本で2番目に古いし、当時の京都人が沈滞する空気を打破すべく奮闘しはったのが伺える。

動物園の右手には「琵琶湖疏水記念館」がある。運営は文化観光局ではなく、びわ湖疏水船と同じく京都市上下水道局。琵琶湖疏水の歴史や機能を紹介する施設で、入口には疏水を活用した水力発電に使われたペルトン式水車とスタンレー式発電機が展示されている。市電を動かす原動力となった日本初の水力発電所もそばにあるが、ここは公開されていない。


大好きなジオラマと、季節展示品。これまたかわいい、レゴで作られたインクライン〜岡崎公園〜水路閣。ずーっと眺めていたい。この記念館は近代の歴史が学べるし、たいへんな難工事を知ることもできて入場無料なので、もっとたくさんに人に知ってほしいと思うた。

去年の京まふで、疏水記念館は「怪獣8号」とコラボしたので、その名残のパネルがあちこちに残されていた。私は第3部隊の副隊長・保科宗四郎推しやったし、かなりうれしい。ということで疏水船の乗船ツアーはここが終点解散やったけど、さらに南禅寺の水路閣へ足を伸ばしてみた。続く…
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