京都町家ぐらし

京都の町家に暮らす玉葱ぽんが、食べもんやお酒、愛犬との日々をつづるトボけた四方山ブログ。ベタなまち徘徊、トホホな情景も織り込んでおとどけ!

東日本大震災

3月11日は晩酌で思いを馳せる

260311一ノ蔵バトン
今年も3月11日に飲むのは、一ノ蔵さんの「3.11未来へつなぐバトン」である。今年で15年目、売り上げはすべてハタチ基金に寄付されるが、昨年の累計91,864,778円なので今年はめでたく1億円を超えるやろう。震災の年に生まれた子どもが二十歳になるまで続けられるそうで、ずっと応援してゆきたい。お酒は磨き60%の特別純米で、やさしい吟醸香とまろやかな飲み口&ほどよいキレの美酒である。

260312タッカンマリ
アテはちまちまつつけるもんを用意したが、メインはタッカンマリ風の手羽元とじゃがいもの煮物。なんでかというと、災害救助犬「じゃがいも」さんを追悼して。飯舘村で生まれて岐阜の動物愛護センターに引き取られた犬で、災害救助犬の試験に11回目で合格した子である。落ちても落ちても頑張って、ついに合格!のニュースには涙が出た。そのじゃがいもさんが、3月14日の里帰りを目前に虹の橋のたもとへ行ってしまったのだ。ふさふさ長毛の黒犬やって、ムサによう似てたから、余計に応援していたのだ。よう頑張ったね、じゃがいも。ありがとうね。あっちでよく似たおじいちゃんと仲良くしてね。

260110八角1
ちょっと前には八戸の八角を食べた。さすがに家でようさばけへんし、おろしてもろたんを昆布〆して薄造りに。おろしポン酢で食すとモチモチクミクミ、淡白やのに味がのっておいしかった。アテにはイカの柚子和えと真鱈子の煮付けも添えて。こういう海の幸がいただけるのもありがたいこと。どうか大災害が起こりませんように。


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3月11日のお酒は

190305お土産いっぱい
あれからもう丸8年。1月に来たムサも14歳になるわけやわ。まだ完全復興には時間がかかるやろうけど、彼の地の皆さんが幸せになるよう祈らずにはおれん。震災をきっかけに親しくなった仙台のねーさん様。今年もたくさんおいしいもんを送ってくださった。ジャンク好きな私のために、あれこれ選んでくださる心遣いがありがたい。

190306佐藤農場
もちろんお酒も。ただだでさえ入手しにくい「綿屋」を醸す金の井酒造さんの「純米吟醸 小僧佐藤農場」は、さらにレアな限定品。うおーなんて素敵なのっ。この変わった銘柄は、佐藤農場という田んぼで育てた山田錦を使うているから。そして仕込み水(佐藤農場にも引かれている)は「小僧不動の滝」の上の伏流水ということで、こういうネーミングなのだ。なんでも宮城は山田錦の北限だそうで、その点からもレアである。
55%磨きの吟醸酒、酸も甘辛さも控え目で、綺麗な飲み口の後からほわっと素朴なコクが出てくる。私にとってはやや綺麗すぎるが、こういう風味、ものすご好き♥ めちゃくちゃおいしい!ねーさん様、いつもいつも貴重なご当地物をありがとうございますm(._.)m

190306ローストビーフ
アテは張り切って、黒毛和牛の低温調理ローストビーフに舌平目のムニエル。新タマネギのオニスラ、納豆とづけの和え物。手前の茶色いのは、茎ワカメの佃煮と、節分の豆と前に頂戴した打ち豆と昆布を炊いたの。この中ではムニエルとオニスラが相性良かったなぁ。茎ワカメもエエ感じやったけど、楽しい夕餉になりました。あ、後ろにちらっと見えてるのは会津の末廣。やっぱり3月11日なので出したけど、こちらは吟醸香バリバリなので、もっとあっさりしたアテのほうが合うのよね。つーことで食前酒代わりに飲んだのでありました。

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震災後をたどる「犬と猫と人間と2」

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130807犬と猫と人間と2
このところ映画はご無沙汰やってんけど、これは絶対見に行かねばと思うてたんが「犬と猫と人間と2」。
前作はペットブームとその弊害、捨てられたり野良化した犬や猫を保護する人たちを追うたドキュメンタリーやったけど、今度のは被災動物の話である。東日本大震災からあっという間に2年半が過ぎ、当地にいる人たち以外には少しずつ記憶が薄れつつある今日このごろ。けど、もう2年半ではなく、まだ2年半なのだ。
大切な人を失った方がたくさんいて、いまも苦しんでいる方も大勢いはる。大切なのは人だけでなく、家族のように暮らしてきた動物も同じ。東北では約2万頭の犬や猫が飼われていて、そこからどれだけの動物が被災したのか、飼い主の元へ戻れたのかは明らかでない。登録していない動物も多いので、実態が把握できないのだ。
映画は、その中で、避難場所に連れて行けず目の前で愛犬を失った人や、被災後に居着いた野良猫を家族のように面倒を見る人たちに寄り添い、暮らしを追うてはる。また、被災動物を保護している団体や個人にも取材してはる。
もちろん地震や津波で被災した動物も気の毒なのだが、深刻なのは原発事故で生きているのに放棄されてしもうた動物たち。飼い主には「すぐ戻れるだろうから」という理由で、置き去りにしてきた人も少なくない。が、実際には戻れず、犬や猫は放置され、餓死している。置き去りにしてきた飼い主は、きっと一生悔恨を抱えて生きはるのやろう。生きていることを確認できても住宅事情でまた飼うことができひん方もいはる。
これらも、いたたまれない。

動ける動物たちの中には、道路で車(おそらく原発処理関係や工事の車)にはねられて死んでしもうた子も目立つ。おそらく人の気配に走り寄り、はねられてしもたんやろう。その希望と絶望の瞬間を思うとやりきれない。人を信じていたからこそ、すがるように駆け寄っての事故やろうから。
家畜もたくさんいる。鶏や豚はほぼ全頭が殺処分やったそうやけど、牛はまだ対象となっていない。畜産農家の人たちが殺処分に反対し、せめてもの心で放牧状態なのだ(放置され、すでに死んでいる牛のほうが多いのだろうが)。そんな牧場にもボランティアさんが入って面倒を見てはるのやけど、力尽きて死に、ウンコと泥まみれのうえ体中にウジがわいて朽ちてゆく仲間の隣で、呆然と座りこむ牛がいる。
涙で濡れた黒い瞳が訴える。動物の涙はゴミが入ったとかの自然現象なんだろうが、悲しくて泣いているように思える。いや、きっとそうなのだ。
警戒区域に入るボランティアさんも、自ら被爆しているかもという危険をおして活動を続けてはる。頭が下がると同時に、今の自分が何もしていないことを思い知らされる。
現実を知るのはしんどいが、知ったしんどさとは比べものにならない苦悩と努力がここにはまだ存在している。
監督は、前作を撮った飯田基晴さんの弟子で、宮城県生まれの宍戸大裕さん。自らが現地で感じたこと、考えさせられたことがそのまま、観客に伝わってくる。

冒頭、一頭の犬が走り去ってゆくのを追いかけるようにしたカメラワークが目に焼き付き、中盤で町を見下ろす老犬の後ろ姿も思い出すと胸がきゅうううんと痛む。京都みなみ会館では16日まで、その他の地域でも上映中あるいはこれから上映されるところがあるので、ぜひ観てほしい。


ところで震災だけでなく、きちんと飼える環境にありながら虐待や飼育放棄するヤツは後を絶たない。先だっては栃木のオッサンが、自宅の庭に狭い檻を設置し、その中に11頭の犬を閉じ込めて飼い殺しにしていた。高床になった檻の下には積もり積もった糞が約1トンもあったそう。汚れてやせこけた犬たちは、衰弱した者が餌食にされ、3頭がわずかな骨片となって糞の上に転がっていたそうだ。共食いした犬たちに罪はない、悪いのは飼い主である。許されない行為。お前も同じ目に遭ってみろ!と言いたい。
近所から何度も苦情を受けていたのに3年間も放置した行政にも責任はある。ということで今、公益社団法人 日本動物福祉協会・栃木支部では、今後こういう惨たらしい事件が起きないように、県内の不適正飼育現場への罰則執行を迅速に行わせるための署名活動を行っている。
賛同される方は、こちらのサイトに署名を! 事件の概要や経緯も書いてあります。
動物も子どもも、虐待や放置をする人間の根は一緒やと思う。それを見て見ぬふりすることが、不幸な動物や子どもを増やすことになると思うので、少しでもできることで力になれば・・・

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あれから一年、まだまだ

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120303復興食堂1
いろんな意味で日本全体が揺らいだ日から一年経った。あの時、私は家で仕事の撮影中。階段を上がってたとこやったし、揺れたんには気付かへんかったが、下にいた人が「地震?」。別の人が「あれ、携帯がつながらへん?」とあれこれ操作してはる途中、地震のニュースを知らはった。で、テレビを点けてみたら、延々と押し寄せる津波の映像がリアルタイムに流れる。どうにも抗えない大きなうねり。ものすごい惨事が北のほうで起こっていることを知り、何とも言いようのない気持ちで仕事を終えたのだった。

一年経っても、地震そのものはもちろん、原発事故の影響が大きな影を落としている。復興にはいったいどれだけの時間がかかるのだろうか。
神戸に震災があったとき。3年ぐらい経って訪れると、表通りはきれいに整備されていた。けど、ちょっと奥へ入ると不自然な更地が点々としてて、ここで暮らしていた人の営みが無になってしもたこと、亡くなった人の無念が漂うてるようやった。命があっても仕事や家を失い、立ち直ることがままならん人も多かったろう。
人数や街の規模で比べることではないが、さらに被害が大きかった東北が、元の状態に近づけるのはいつになるやろう。決して忘れず、風化させず、息長く応援していかねばと思う。

そんな支援を続けてはる復興食堂が、雛祭りの日に三条会の公園にも来てはった。去年の夏は西陣織会館に出てはったね。散歩がてら寄ってみると、まだ始まったばかりで人はまばら。

120303復興食堂3
それでも集まった人は、写真パネルを覗き込み、お土産を買うたりしてはる。

120303復興食堂2
屋台ではイカ焼きそばやタコの唐揚げを売ってはった。ああ、地酒のあさ開もある!
飲みたいが、犬の散歩中やし、これから出かける用事もあるしなぁ。と、焼きそば&唐揚げをゲットして帰宅。
岩手の食材なんであれこれ言う人もおらんかった思うけど、福島近郊の高速SAでは未開封の福島土産や野菜が大量に捨ててあるという話を読んだ。
福島へ入った人が土産にもらい、放射性物質を恐れて持ち帰らず捨てていくらしい。そういうゴミがこのところ増えていると。ニュースの出所が不確かなんで鵜呑みに信じるのは危険やけど、本当なら絆とか口だけで言うなと思う。地元の人の気持ちを、ほかしていくやなんて。
考えられへん。
大丈夫やとお墨付きで流通してるものなんやから、それを過剰に恐れ、表面だけええ顔して受け取り、捨てていく…心情と食べ物を捨てるという二重の冒涜である。いやなら、「食べないから要らん」て自分で面と向かって言え。つーか、何しに行ってんのよ。
お墨付きが信用できんという向きもあるやろうし、生産物の処理は全て政府と東電にお金を出させて廃棄させろという人もいるやろう。が、丹誠込めて作り、どうもないのに売れへん、そういう人の気持ちを考えると、福島産というだけでなんでもかんでも危ない危ない、食べるなと声高に煽る人が腹立たしい。

と思うたら、このニュースが捏造であるとの話も流れてきた。
騒ぎが起きたことは良くはないが、ほかすヤツがいない(全くではないやろうけど)ことにはホッとする。
さて、私は原発推進派ではない。万一のことが起きた場合、作った人間がどうしようもないものは存在させるべきではない。いま休止中の原発も、すべて廃止の方向へ持ってゆくべきだと思っている。が、それと彼の地の物を食べないのは別である。福島と言うても広いし、普通に暮らしを営んでいる人も多いのだ。大変な状況から立ち直ろうと頑張る人に対して、一括りに危険だと排除させようとするのは誤った正義であると思う。福島の人が他の地域きへ行って「放射能が心配だから近寄るな」とイジメに遭ういう話も、安全地帯にいて過剰な心配を煽る人の影響もあるだろう。と同時に、マスコミもお涙頂戴的な負の感情を煽ってはならん。
頑張って育ててきた、美味しいと自信をもてるものが消費者の口に入らず処分されてると知ったら、作った人はどんなに悔しいやろう。捨てられているのが本当でないなら杞憂だが、過剰なる反対も同情も「やっぱり信用できひんやんか」という方向へ向けることになるだろう。
どうもなかった場所にいてできることは、煽らず煽られず消費活動をして、少しずつでも長く応援していくことだと思う。正しく恐れる、それを忘れずにいたい。
去年、あちらから頂戴した福島の桃は本当に美味しかったし、お取り寄せのお菓子も美味しかった。こないだ買うた地酒「雪小町」も、東北のお酒にしては口当たりがふっくら。ふくらみのある旨口の純米酒やった。

ところで先だって、一年間のCMコンテストの発表会があった。今年は震災でCMが自粛されたこともあり、例年は秋に審査があるのを3ヵ月延長しはった。そやし発表会も、毎年末のはずが3月になった。
震災関連のCMもいくつか受賞していて、涙ぐんで画面がぼやけるような作品もあった。
ここで初めて知った「浜のミサンガ」、これは三陸の奥さんたちが、仕事として漁網を細工し、販売してはるのやろう。そういえば、復興食堂にも並べてあった。うーっ知ってたら買うたのに。申し訳ないことをした。

グランプリは九州新幹線開通のCM。直後に震災があったので、3日ほどしか放映されへんかったそうであるが(私もテレビでは見てない)、大勢の人が走る九州新幹線を歓迎する、こっちは感動でジーンと来るものであった。どんだけの人が集まり、どんだけの時間をかけて撮らはったんか、その苦労が見える。ええコマーシャルやなぁ。せっかく集まった人たちも、震災で自粛となればやむを得んかったやろうけど、カンヌで評価されたのは喜ばしい。
それと、DoCoMoの森のケータイ。これもつべとかで見た人もいはると思うけど、ようできたすばらしいCMであった。こんな人と人のつながりや、森の風景を失わんためにも、どうか本来あるべき「人間らしい心の通う世の中」になってくれ。


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