
階段を上がって、2階の大半を占めている応接室。入口はやはり狭い(幅62cmしかないそう)が3方の窓が大きく取ってあり、自然光を取り入れながら風景を楽しめるようになっている。奥行きもあるので、この空間がよけいに強調される。左右対称で装飾を施した飾り棚や窓があり、凝った風情を醸し出している。

南のバルコニーからは神戸の街も一望できる。手前の机と椅子はなんかちょっと雰囲気が
違うなと思うたら、ヨドコウさんがライトのデザインを模して制作されたんだそう。

壁面上部にはびっしりと小窓が並び、シンプルな部屋がこの小窓によって強く印象づけられる。
これ、大工さんはたいへんやったろうなぁ。


木と大谷石のコンビネーションがすごく良い。一枚目の写真は給湯室の飾り棚であるが、応接室にも同じデザインの飾り棚がある。ちなみに給湯室の奥にはトイレがあり、ここは普通やった。下の写真、手前の照明はライトがデザインし、気に入ってあちこちの建物に配したのだとか。

入口の脇には大谷石の暖炉があり、もう片方の側から給湯室へ行けるようになっている。ライトは「どっしりした石積みの奥で、赤々と燃える炎を見つめるのは心安まるものである」とのことから暖炉を好んで導入したそう。

3階に上がってまず目に飛び込んでくるのが、長い廊下。西側には植物モチーフの銅板を施した窓が並び、夕陽がさすと美しい幾何学模様が廊下に投影される。この景色が迎賓館で一番好き。当時のアメリカでは窓といえば上下開閉式だったのに、ライトはあえて外開きにして、日光によるこんなアートを演出したのやろう。

廊下の向こうは和室。敷地は広いがとても細長いので、間取りが縦長になり、広間の奥に和室がどーんと3つ連なっている。すべての仕切りを開け放つと大宴会ができるのは、昔の日本家屋らしい設計である。そやから日本人の弟子が設計したと思われるが、長押に小窓、欄間に植物モチーフの銅板はライトらしい和洋折衷だ。

和室の奥にある家族寝室には、復元された机と椅子が置かれていた。座れるので
腰掛けてみたが、直立してクッションが薄いので、座り心地はあんまりようなかった(^_^;

トイレも普通(洋式と和式の両方あった)やったけどお風呂も普通。意外にコンパクトだ。

4階へ至る階段の天井も三角を組み合わせたカッコええ意匠だ。4階は食堂および厨房のみ。
使用人室と洗濯室が脇にあるが、家族用は食堂だけという潔さである。

食堂は2方向から光が差し込む。やっぱり左右対称で暖炉を中心にした意匠であるが
天井は高い四角錘のような形で、トップまであしらった木枠が優れたデザインになっている。


そして三角の小窓がアクセントに。見た目だけでなく光が降り注いで、昼間はわりと明るい。

食堂の奥には広い厨房がある。大きな配膳台にシンク3つ、この時代には珍しいオール電化で
オーブンもあったそうだ。パーティーがよう開かれてたんやろうね。

4階の部屋は食堂だけであるが、長いバルコニーが付いている。
振り返れば大谷石の柱とスクエアな建物が重厚感のある趣を醸している。

バルコニーからの眺めは最高!

厨房の側にもバルコニーがあり、たぶん洗濯物を干したりしてはったのやろう。そちらには入れないが、こんだけ高台の屋上やとよう乾いたろうね。ということで隅々までライトらしさを堪能させてもらえた。一度はつぶしてマンションにする計画もあったそうやけど、重要文化財指定を受けて、残してくれはってほんまによかった。春期は山邑家の収蔵品であるお雛様が和室に展示され、それも一見の価値があるそう。何遍でも訪れたいライト建築やった。次は武庫女観たいな。
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